2016.01.05更新

松戸の弁護士の島田亮です。

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 

現在、法制審議会において、性犯罪に関する罰則の改定が審議されています。内容は多岐にわたるのですが、審議されている内容には問題点も色々あります。

そのうちの一つは、性犯罪に関する法定刑の下限を引き上げようとする点にあります。

現在審議されている内容は、強姦罪の下限を現行の懲役3年から5年に,強姦致傷罪の下限を現行の懲役5年から6年に引き上げる内容となっています。

無論、非常に悪質な性犯罪事案があることは事実であり、そうした事案は重く処罰されなければなりません。

しかし、ここで議論されているのは、「強姦と名の付く犯罪であれば、どれほど軽微な事案であっても一律に重く処罰しよう」ということです。

果たして、軽微な事件であっても、「強姦」と名の付く犯罪であれば、一律に重く処罰すべきなのでしょうか?

 

現実の裁判では、実際に、現在審議されている法定刑の下限(強姦について5年、強姦致死傷について6年)よりも軽く処罰されている例が、沢山あります。

例えば、日弁連の量刑データベースで「罪名 強姦致傷」で検索してみると、90件がヒットしました。このうち、懲役6年未満の判決は、23件ありました。このデータだと、約25%の事件が懲役6年未満と判断されているのです。

これらの事案は、同じ「強姦致傷」という罪名の事件でも、例えば、犯行に至る経緯に色々な事情があったり、被害の程度が軽微だったりするなど(強姦致傷の中には、強姦自体は未遂で終わっている事件も含まれます)、軽微な部類と判断された事件です。

これら軽微な事件について、一律に重罰を科する必要はないはずです。

悪質な犯罪には重罰を科するが、軽微な事案には比較的軽い刑を科する。これが、刑事司法のあるべき姿です。

 

性犯罪の罰則の改定に関するこれまでの議論からは、「強姦は悪質な犯罪だから、どれほど軽微な事案でも重罰化するのだ」という考え方が透けて見えてきます。

このような考え方は、非常に危険なものと思います。

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