2016.03.30更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

以前取り扱った中に、会社ぐるみで違法な犯罪行為を行っていたという事例がありました。

詳細は省きますが、その会社の従業員は、業務に関連しある犯罪行為を行うことを、会社の経営者から命じられていました。

従業員らは、業務命令を受けた内容が犯罪行為であることは理解していました。もっとも、当該命令に違反すれば職を失うこともわかっていました。

そのため、従業員らは、業務命令に従い、犯罪行為に手を染めてしまいました。

 

無論、従業員らの行為は許されるものでありません。結果的に従業員らの犯罪行為は露見し、従業員らは刑事罰を受けました。

一方、経営者は直接犯罪行為に携わった訳でなく、刑事罰にも問われませんでした。

しかし、従業員らに犯罪行為を命じることにより、犯罪行為から上がる収益を享受していたのは、経営者です。そのような立場にある経営者が何の責任も問われないことは、果たして正しいことなのでしょうか?

そこで、私は、従業員らの代理人として、経営者を相手にして、千葉地方裁判所松戸支部に損害賠償請求訴訟を提訴しました。

 

この裁判で、経営者は、「従業員らが勝手に犯罪行為を行ったのであり、自分は悪くない」と主張しました。

しかし、裁判の中で、経営者の主張の矛盾点を指摘すること等により、その主張が真実でないことが明らかとなっていきました。

そして、最終的に、経営者から損害賠償金の一部について支払いを受けることで、和解が成立しました。

 

「ブラック企業」という言葉がありますが、もし勤務している会社で、上司から違法な行為を行うよう命令されたら、それを拒絶することの出来る人はどのくらいいるのでしょうか?

このような場合、本当に悪いのは誰なのでしょうか?

犯罪を行うよう命令した経営者なのでしょうか。それとも、そのような命令を拒絶できなかった従業員なのでしょうか。

色々なことを考えさせてくれる事案でした。

 

法律相談がありましたら、初回無料の法律相談(TEL 047-367-5301)をご利用下さい。

 

まずは、無料相談をご利用ください。 弁護士島田亮 TEL:047-367-5301
top_img10_sp.png
直接会って相談する
直接会って相談する